エルキューイブランドについて
創業者の家名をそのまま社名にする多くのメーカーと違い、エルキューイはパリ北部のオワーズ地方にある小さな村からその名をとりました。
エルキューイの歴史は、1867年、エルキューイ村の若き牧師アドリアン・セレスト・ピオンが村の立て直しのために銀器や金銀メッキ製品を製造した事から始まります。銀や金メッキのティー&コーヒーセット、美しい装飾をほどこしたテーブル小物、スターリングシルバー(純銀)のカトラリーが評判になり、エルキューイの店がパリやフランスの各都市、そしてヨーロッパの各地にオープンしていきます。19世紀の終わりごろには本格的な工場生産に切り替え生産量が飛躍的に増加、また1889年に世界博覧会に出品した商品が評判となり、一流ホテルやレストランを始め、豪華客船などからの注文が殺到しました。高い芸術性と品質が評価され、オリエント急行の食堂車ではエルキューイのナイフやフォークが使われています。カトラリーのシルバーの厚みは、欧米諸国で定められている品質基準の33ミクロン以上のメッキ厚で製造されており、ヨーロッパのホテル・レストランでも使われています。第二次世界大戦後は、古い伝統を守るべき使命と、より新しいものを求める時代のニーズから生産設備を近代化し、幅広い商品を製造していくことによりテーブルウェアで成功し、高級テーブルウェア市場でのリーディングカンパニーの一つになりました。
その後名誉あるフランスの高級ブランド協会コミテ・コルベールの会員にも選ばれ、今日でも、昔と変わらぬ情熱で品質を追求し、細かな部分にまでこだわって、新しい商品のなかにもその素晴らしい工芸品職人の伝統を貫いています。
エルキューイのスターリングシルバー製品に刻印されるマークは2種類。主となるパターンがひし形の中にエルキューイのイニシャルEと、そのシンボルであるギリシャ神話の半人半馬ケンタウロスが描かれているもので、もう一つのパターンがローマ神話の女神ミネルヴァの頭を刻み込んだ、92.5%の銀の純度とフランス製であることを示す品質保証のマークです。純銀(スターリングシルバー)製のカトラリーでは、純度92.5%の銀を使用し、その証としてミネルヴァの頭を模したマークを付けています。
エルキューイの銀メッキカトラリーのコレクションは、17世紀から変わらずフランスの「アール・ド・ヴィーヴル」(アートな生き方)に忠実に従うものです。贅沢なメッキ厚は、エルキューイの誇りでもあります。欧州の基準とされる33ミクロン以上のメッキ厚で製造して、美しい仕上がりを実現しています。メッキ被膜にこれだけの厚みを確保することで様々な凝った装飾が可能になるほか、製品そのものの輝きも通常よりずっと長持ちするのです。
銀は皮革同様、使いこむほどに味が出て美しさの増す数少ない素材の一つ。エルキューイのカトラリーは、日々お使いいただくことで輝きが丸みを帯びて、より一層味わい深いものとなるでしょう。
エルキューイの銀器は、一流ホテル・レストランに採用されてきました。それは、エルキューイの飽くなき美の探究心、より高度な技術を求めてやまない情熱が、そうした一流のホテル・レストランの求める高い基準に合致したからにほかなりません。テーブルに並べるカトラリーによっては、料理がよりモダンなものに見えたり、あるいは食卓のクラシックな雰囲気をより上質に引き立てることもあります。食卓に欠くことのできないものでありながら、決してその存在を主張しすぎず、テーブル全 体の雰囲気を変えるのです。
皆様の食卓が、より一層華やいだものになるようお手伝いすることが私たちの願いです。